日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)は広さ規定違反で使えない?設計ミスした設計事務所はどこなのかまとめ

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)ファウルゾーン規定違反 時事

日本ハムファイターズの新球場(エスコンフィールド北海道)が
公認野球規則に定める規定に違反していたとのことで、
日本プロ野球の試合に使えない可能性がでてきていて、
対応をどうするのかもめています。

この記事では、
公認野球規則に定める規定とはどんなもので、
どこが違反なのか、
今後どうなっていくのか、
新球場(エスコンフィールド北海道)は使えるのかについてまとめます。

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)のファウルゾーン広さ規定違反の経緯

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)ファウルゾーン規定違反は、
2022年11月7日に行われた、
日本野球機構(NPB)と12球団による実行委員会の指摘で判明しました。

新球場の工事は、約95%完成しており、
ほとんど工事が終了していると言っても過言ではない状況での
規定違反発覚でした。

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)ファウルゾーン広さ規定違反の内容

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)がファウルゾーン規定違反の指摘を受けたのは、
ホームベースからバックネット側のファウルゾーンで、
ホームベースからバックネットまでの距離が規定より距離が3mほど短いという点です。

このファウルゾーンについては、
ホームベースからバックネットまでの距離が短いと、
バックネット席から見える野球の臨場感が格段に違うことから、
メジャーのボールパーク(野球場)を参考に、
新球場のコンセプト作りに携わった新庄監督が、
こだわったポイントではないかと言われています。

それだけに、その方がいいに決まっているという前提で、
規約のチェックが疎かになってしまったのではないでしょうか。

実際のところ、メジャーのボールパーク(野球場)で、
ホームベースからバックネットまでの距離が、
日本の規定に沿った球場はほとんどなく、
プレーを間近で観戦できることを大切にした球場が多いようです。

また、指摘をしたのは、他球団とのことで、
「自分たちもやりたかったこと」だったけど、
規定に従って球場を作って来た他球団からすると、
見逃せないポイントだったのかもしれません。

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)ファウルゾーン広さ規定違反の根拠「野球規則2.01」

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の規定違反の
根拠となる規定は、野球規則2.01に定められています。
内容は、以下。

「本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレーの妨げになる施設までの距離は、60フィート(18・288メートル)以上を必要とする」

それに対して、日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)のホームからバックネットまでの距離は、15m程度しかなく、問題になっています。

ところがです。
この公認野球規則は、アメリカの公式規則「Official Baseball Rules」を翻訳したもので、原文を引用すると、

It is recommended that the distance from home base to the backstop, and from the base lines to the nearest fence, stand or other obstruction on foul territory shall be 60 feet or more.

注目すべきは「It is recommended」の部分で、
「推奨される」と書いているのです。
どういうわけか、日本語では「必要」と誤訳されており、
その誤訳の規定を大切に日本では守り続けている状況で、
日本の公認野球規則の規定の根拠が希薄であることが、
露呈してしまっています。

ファウルゾーンの広さ他球場との比較

ファウルゾーンの広さ(ホームからバックネットまでの距離)を比較しました。

15m
エスコンフィールド北海道
18.288m(60フィート) 野球規則
18.3m
楽天生命パーク宮城
18.3m 東京ドーム
18.3m
バンテリンドーム ナゴヤ
18.3m
京セラドーム大阪
18.3m
福岡PayPayドーム
18.3m
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島
18.4m ベルーナドーム
18.4m 阪神甲子園球場
19.0m
ZOZOマリンスタジアム
19.6m 明治神宮野球場
23.8m 横浜スタジアム
24.5m 札幌ドーム

札幌ドームの24.5mを経ての、
エスコンフィールド北海道の15m。
変革への強い意思を感じます。

メジャーリーグの球場のファウルゾーンの広さ

では、メジャーリーグの球場では、
ファウルゾーンの広さ(ホームからバックネットまでの距離)はどうなっているかというと、

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の設計に名を連ねているHKSが
設計したテキサスレンジャーズの本拠地グローブライフ・フィールド(2020年完成)の場合、ホームからバックネットまでの距離が12.8mです。

メジャーリーグでこの「60フィート以上」の距離を確保している球場は2球場だけで、ほとんどの球場が16m以下です。
もっとも距離が近い球場は、
カンザスシティ・ロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムで、
12.7mです。

エスコンフィールド北海道が、
メジャーの球場の標準に近づこうとしていたことが伺えます。

誤訳の規定を根拠に、
今後もこの規定にこだわるのか、
本場、メジャーに近づいていくのか、
問題提起した、日本野球機構(NPB)と12球団側が、
逆に問題を突きつけられる形になっています。

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の開業予定は変更される?

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の開業予定に影響するのか調べたところ、
2022年11月現在、
2023年3月の開業に変更はありません。

ただ、日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)のファウルゾーン規定違反を
修正するための改築をする時間もないため、
どのような対応をとるのか注目されています。

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の設計事務所はどこ?

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の設計を担当した設計事務所は、HKS大林組です。

大林組は、言わずと知れた、日本の大手ゼネコンですが、
HKSは、アメリカ・テキサス州・ダラスに本社を持つ建設コンサルタント兼設計事務所です。
さまざまなスポーツセンターやスタジアムを手掛けています。
https://www.hksinc.com/what-we-do/practices/sports-and-entertainment/

担当したのは、Takeshi KamiyaというUrban Designer(都市計画)のようです。

https://www.hksinc.com/our-news/articles/hks-urban-designer-takeshi-kamiya-is-living-the-dream-with-his-latest-project-in-japan/

恐らく、「ボールパークとはどうあるべきか」など、
施設全体のコンセプト作りをHKSが中心に担当し、
実際の建築物への落とし込みを大林組が担当したのだろうと思います。

HKSは、日本の公認野球規則なんて知ってる訳ないですし、
大林組が日本の公認野球規則を確認しつつ、
球場の設計をすべきだったのではないかと感じます。

設計者は、スポーツの施設には、
建築基準以外に、スポーツの協会や団体などによって定められる
ルールの確認を怠ると、
使えない巨大な箱が残ってしまいかねないことを、
肝に銘じて、設計すべきです。

大林組のウェブサイトに誇らしげに掲載されています。
まさか、こんな形で注目を浴びるとは思っていかったでしょう。
エスコンフィールド設計者大林組
引用:https://www.obayashi.co.jp/thinking/detail/project71.html

施設の概要は以下の様に紹介されていました。

名称
北海道ボールパーク(仮称)建設計画
場所 北海道北広島市
発注
ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
CMr 山下PMC
設計 大林組、HKS
概要
RC造・S造・SRC造、B2、6F、延12万500m²
工期
2020年5月~2022年12月
施工
大林組、岩田地崎建設

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の場所

日本ハム新球場(エスコンフィールド北海道)の所在地は、
北海道北広島市共栄228番地になります。

今後、新しい住所が作られる可能性もあります。
Googleマップでも確認できます。

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